母親が陰謀論者になった高校生の話
こんにちは、柊です。
初めてのブログなのに重たい話題になりそうです......。
同じような方がいるかは分からないのですが、もしいたら共感してもらえると書いた甲斐があります。よろしく。
また、あくまでこのブログは主観でしかありません。
それらしい事実を並べ立てたところで、真実にはなり得ませんのであしからず。
『陰謀論』ってなに......?
皆さんは、陰謀論という言葉に馴染みはありますでしょうか?
聞いたことはあるけど、詳しくはちょっと......という方もいると思います。
私もこれを纏めるにあたって、調べてみました。
陰謀論(いんぼうろん、英: conspiracy theory)または陰謀説(いんぼうせつ)とは、ある出来事や状況に対する説明のことであり、他にもっともらしい説明があるにも関わらず、邪悪で強力な集団や人物による陰謀や謀略が関与しているとするものである。この言葉は、偏見や不十分な証拠に基づいているという否定的な意味合いを持って使用されることが多い。
ドン!!
ウィキペディア先生は偉大ですね。何でもすぐに教えてくれます。
私から敢えて付け加える必要もない完璧な説明です。
ここにある通りなんですが、これでもちょっと難しいな、という方のために、もう少しだけ簡潔にしてみましょうか。
私が今まで触れてきたコンテンツの中で、万人に分かるような例えというとかなり限られてくるのですが、一つ思い当たるものがありました。
『妖怪ウォッチ』です。妖怪ウォッチ批判をしたいわけではないんだ...!許して;;
2014年にアニメが放映されてから今に至るまで爆発的なブームを巻き起こした『妖怪ウォッチ』。その作中に『ようかい体操第一』という曲があるのはこれを読んでくれている多くの方も知るところでしょう。
以下、歌詞の抜粋です。
今日は朝から寝坊した
夢のなかでは起きたのに
どうして 朝は眠いんだ?
どうして 朝は眠いんだ?!
ドォワッハッハー!
よ う か い のせいなのね そうなのね
ウォッチ!今何時? (一大事)
ウィッスッ!
これは一番の歌詞ですが、寝坊をしたのも、女の子に振られたのも、果てはう〇ちが臭いのまで妖怪のせいというようにひたすら妖怪に罪を擦り付けていくような歌詞が二番三番と続いていきます。
これはフィクションなので面白いものとして受け入れられますが、これを現実の世界に持ち込むような思考の持ち主、それが陰謀論者である、と考えてもらっていいと思います。
分かりやすいようにとたとえ話をしてみましたが、一行で簡潔に言うなら、
理由がはっきりしているのに見えない何かのせいにしようとする。
これですね。もう一度いいます。
理由がはっきりしているのに見えない何かのせいにしようとする。
これが陰謀論の一番根っこといえると思います。
母が陰謀論と出会うまで
陰謀論がどんなものを指すかはおおよそ分かっていただけたでしょうか?
「そんなもん、はなから分かってんだよ!クソガキが!」という方は、お待たせしました。ここからが今回の本題となります。
母が陰謀論と出会うまでを時系列順に家族の視点でまとめたものです。
今、世間を騒がせているコロナウイルスが日本に上陸する少し前。
昨年の頭、2020年1月まで時は遡ります。
当時はまだ「中国で何か騒いでる」程度の認識しかなく、我が家でもいつも通りのそこそこ幸せな日常を送っていました。
朝は家族で揃って朝食を食べて、学校から帰るとその日にあったことを報告しあう。そして夕飯を食べ終わり、みんなの時間があったときはゲーム好きの家庭らしく、ゲーム大会をする。
時には、姉妹や両親の喧嘩もありましたが、長くは続かず、お互いの妥協点を見つけて仲直りをする。
それが少し前までの我が家の日常でした。
唯一、その頃から母のスマホを触る時間が増えたことが気にかかってはいましたが、そんなものかと深く考えることもなく、私も父も見過ごしていました。
まさかこの決断が致命傷になるとは、家族の誰にも予測できませんでした。
時は流れて、8月を過ぎたころ、母との会話に違和感を感じ始めました。
異様なまでに、テレビを嫌がるのです。
今までも、テレビがついていると話ができないといって消すように言うことはありましたが、夕飯前にニュースをつけるだけで機嫌を損ねるようになったのです。
その頃から母の口癖が「大手メディアは信用ならない」になりました。
私と父で何を根拠にそんなことを言うんだ、と問い詰めても不貞腐れたように黙るばかりで、話し合いにもなりませんでした。
思えば、ここが最後の正気に戻せるタイミングだったのかもしれません。
ここから、母は更に深く陰謀の沼へとはまっていきます。
テレビを嫌がっていた母でしたが、ある時から一つのニュースに熱狂的と言っていいほど、くぎ付けになるようになりました。
『アメリカ大統領選挙』です。
母はどうやら、トランプの支持者になったようでした。
その影響で、コロナなんてただの風邪だ、マスクをすると病気になる、と街の中でも構わずマスクを外そうとするようになりました。
それは困るからやめてくれ、と私や父が懇願すると渋々といったようにいうことは聞いてくれるのですが、その度に文句をこぼすので私も父も疲弊してきていました。
そして、どこで見つけてきたのか、そのあたりから母の発言には「Qアノン」という単語も混ざるようになりました。※1
「トランプは救世主だ」
「私の周りでもみんな言ってる」
「調べれば分かるから」
と、この時期までくると一切の聞く耳を持たなくなっていました。
みんなって誰?と聞いて、SNSの会ったこともない人物の主張を自信ありげに話す姿を見たときは絶望しました。
衝撃のあまり、声が出なくなったのを今でも忘れられません。
母は、バイデンの就任が決まった今も、トランプの時代がくるのだと信じて疑っていません。
陰謀論者のいる生活
ここまで全てノンフィクションでお届けしましたが、思い出して文字に起こすだけで、こんなに疲弊するのかというくらい疲れました......。はぁ......。
ここからは、過去ではなく今現在の状況について纏めていこうと思います。
先ほどのラストにもある通り、母はいまだに陰謀論を信じています。
本気で、信じているのです。
皆さんには、身近にそういった思考をもった人のいる苦しみを想像できるでしょうか。
コンビニのおにぎりを買って帰れば、人間の細胞が入っているから食べるなと言われ、明らかに捏造としか思えない証拠写真を見せられるのです。
電磁波が危険だからとおもちゃにしか見えない3万円もする機械を買ってきて、テレビの下に置くのです。
最近は、オカルト方面にも興味があるようで、毎週のように怪しい集会へと出かけていきます。
家族が止めても、法律で禁止されてないのになぜ咎めるのか、自由がない、と訴えてくる始末。
もうどうしようもありません。
万策尽きました。。。
かつては楽しく囲んでいたはずの夕食の時間も、今は食べ終わり次第、すぐに二階へと上がるようになってしまいました。
地獄のような空気の悪さです。
かくいう私も精神病が悪化してしまい、安定剤なしでは生活が難しくなってきています。
父も薬こそ飲んでいませんが、やっとの思いで生活しているという感じです。
何の問題もなかったはずの我が家を僅か一年余りで崩壊させた陰謀論。
今はただ、母が自分で気が付くことを願うばかりです。
もし気が付かなければ......。もう選択の時は近いのかもしれません。
まとめ
まず、一家庭のお話にここまでお付き合いいただきありがとうございました。
思いのたけをそのまま書いてしまったため、読みにくいところも多々あったと思います。申し訳ないです::
最後に、一番伝えたいことをまとめ、おわりとさせてもらおうと思います。
もし、あなたの周りにスマホを一生懸命に触って、周りが見えなくなっている人がいたら、迷わず止めてあげてください。
コロナが生み出した不安に惑わされた人を救えるのはその時だけです!
それよりも進んでしまえば、もう周りからは手出しが出来なくなってしまいます。
そして、今まさに不安でいっぱいでどうしようもなくなってしまっている人は、お願いだから踏みとどまってほしい。
家族や友人の悲しむ顔はみたくないでしょう......?
それでもどうしても分からない情報に縋りたくなったとき、一つだけ確認してほしい。
その情報は、断定的な言葉で書かれていませんか?
もし、「~に違いない」「~としか思えない」といった終わり方をした文章だったなら、もう一度考え直してみてほしいのです。
それに気が付けたあなたは、まだ引き返せるはずです。
我が家の修復はもう難しいかもしれませんが、まだ取り返しのつく段階にある少しでも多くの人たちが、もとの生活に戻れることを心から願っています。
柊
※1......Qアノン(キューアノン、英: QAnon、発音: [ˌkjuːəˈnɒn])は、アメリカの極右が提唱している根拠のない陰謀論である。この陰謀論では、世界規模の児童売春組織を運営している悪魔崇拝者・小児性愛者・人肉嗜食者の秘密結社が存在し、ドナルド・トランプはその秘密結社と戦っている英雄であるとされている。この陰謀論で仮定されている秘密結社は、一般的にディープ・ステート(英: deep state、影の政府)やカバール(英: cabal、直訳で「陰謀団」)と呼ばれている。アメリカの検察官の中には、Qアノンについて「一般的にカルト宗教とみなされている(陰謀論者の)グループ」と説明する者もいる。